親の介護がなくなっても施設に行かずに
朋に通い続けるために……
「お父さん、お母さんの腰が痛くて、私の介助ができない!」
「施設には行きたくない」「このままずっと、朋に通い続けたい!」
など、メンバーからの訴えがあったのは、今から十二年前。朋ができて七年目でした。
重い障害をもった人の多くは親元で暮らしていて、日中は近くの作業所や通所施設に通っていますが、親の年齢などによって介護が厳しくなると、どこかの入所施設に入るしかありません。そうなると、それまで慣れ親しんだ作業所や通所施設にはもう通えなくなり、今まで築き上げてきた「暮らし」がなくなってしまいます。
私たちは、親元でもない、入所施設でもない第三の生活の「場」としてグループホームの暮らしを始めました。
現在のグループホーム制度は重い障害を持った人たちの暮らしを支えるには十分ではありません。しかし、私たちはどんなに障害が重くても、「街」の中で季節の風や生活の音を感じながら、そして何よりもその人らしく暮らせるような環境作りを目指し、日々奮闘しています。