9月20日土曜日、のこぎり演奏の加藤寛二さんと息子さん加藤実さんをお呼びして午後はコンサート。
◇ノコギリから哀愁をおびた音色が!◇ 忘れ得ぬ人&道草ノートより抜粋
大工道具のノコギリで『浜辺の歌』や『アメージンググレイス』などの美しいメロディを演奏するなんて、考えられますか?
刃渡り15~20センチくらいある西洋ノコギリを“ミュージカル・ソー”と称して、腰掛けた両膝で柄をはさみ、ノコギリの刃をしならせながらチェロの弓を当てると…信じられないような妙なる音色が!
心に染み入るように澄んだ音色の演奏を聴かせて下さるのは、元都立小平養護学校校長の加藤寛二さんです。ビブラートを利かせた音色はフルートより甘く、ヴァイオリンよりせつなかった。
ノコギリ演奏は1930年代のアメリカで始まり、その音色に心を打たれ、日本の草分けとされる故高島巌さんは1935年頃にミュージカル・ソーをアメリカから取り寄せ、独学で演奏を身につけたそうです。そんな故高島巌さんとご縁で高島さんから1丁のノコギリをプレゼントされた。当時、小学校の教員をしていた加藤さんも手探りでノコギリ演奏の練習を始められた。その後、心身にハンデを持つ児童の養護教育に携わってきた加藤さんは、子供たちの前でヒュ~ンとノコギリ演奏を始めると、目が輝き、その集中力が手に取るように感じられた。ミュージカル・ソーの音色が心をときめかすらしい。つとめて演奏をするようになり、演奏にも磨きをかけたという。加藤さんのノコギリ演奏は数多くの児童生徒の目を輝かせたとも言えよう。
ノコギリ演奏をする加藤寛二さんに朋では20年近くもお越しいただいています。
加藤寛二さんとの始まりは、元都立小平養護学校校長時代に当法人理事日浦美智江がお邪魔し、加藤寛二さんがノコギリ演奏をされることを伺い、「えっノコギリで演奏?朋のメンバーにも聴かせたい」が始まりと聞いています。
それから毎年秋になるとノコギリの音色がヒュ~~ンと朋のホールに響くのです。